モールス信号とは
短い音と長い音、そのあいだの沈黙。たった二種類の信号で、一本の線の上に言葉を通した仕組みです。
モールス信号は、電気を入れるか切るかだけで文字を送ります。 必要なのは一本の線と、片方の端に電池、もう片方に音の出る装置。世界で最初に広く使われた デジタル通信であり、コンピュータより80年ほど古いものです。
決まりは四つだけ
覚えるべき比はこれだけです。
- 短点は1単位、長点は3単位
- ひとつの文字の中の切れ目は1単位
- 文字と文字のあいだは3単位
- 語と語のあいだは7単位
速さが変わっても比は変わりません。だから同じ符号が、毎分5語でも毎分40語でも同じ文字として 読めます。
この「1単位」の長さは基準語PARISで決めます。PARISはちょうど50単位になるので、 20WPMなら1単位は60ミリ秒という計算です。数字のページに そのあたりの数え方を書いてあります。
短い文字と長い文字
Eは短点ひとつ、Qは4信号。よく使う文字ほど短くしてあるからです。
この割り当てを決めたのはアルフレッド・ヴェイルで、頻度表を見たわけではありません。 ニュージャージー州モリスタウンの印刷所に行き、活字箱の中の活字を数えました。よく組む文字ほど たくさん買ってある、という理屈です。
数え方は大ざっぱでしたが、結果はよく当たっています。ただし例外もあって、Oは英語で4番目に 多い文字なのに11単位もかかります。
いつ生まれ、いつ終わったのか
- 1844年 - ワシントンとボルティモアのあいだで最初の実用電信。
- 1865年 - 国際モールス符号として整理される。アメリカ式にあった 「文字の中の長い空白」がなくなり、機械で読みやすくなりました。
- 1906年 - ベルリンの無線電信会議でSOSが遭難信号に決まる。発効は1908年。
- 1912年 - タイタニックがCQDとSOSの両方を送信。
- 1999年 - 海上での商業無線からモールスが退く。衛星による遭難通報に 置きかわりました。
終わったのは商業無線での義務であって、モールス符号そのものではありません。 アマチュア無線ではいまも日常的に使われています。
なぜいまも残るのか
理由は音質ではなく、弱さに強いことです。音声通信が雑音に沈む条件でも、 短点と長点の区別だけなら耳が拾えます。同じ送信出力で、音声より遠くまで届く。
もうひとつは、装置がいらないことです。光でも、音でも、指で叩いても送れます。 まばたきだけで意思を伝えた例が医療の現場に記録されているのは、そのためです。
よくある質問
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モールス信号はいまも使われていますか
はい。アマチュア無線ではCWと呼ばれて日常的に使われ、航空無線標識は自局の識別符号をモールスで送り続けています。商業の海上無線からは1999年に退きました。
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覚えるのにどれくらいかかりますか
符号を目で覚えるだけなら数日です。耳で聞き分けられるようになるまでは数週間から数か月かかります。最初から音で覚えるほうが結局は早道です。
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SOSはどういう意味ですか
何の略でもありません。1906年に選ばれた理由はただひとつ、
...---...という並びが聞き分けやすいからです。SOSのページに詳しく書いてあります。